物件名:二枚の屋根の家
構造:木造
面積:134.791㎡
階数:地上3F
建築事務所:山路哲生建築設計事務所
photo :ヒアリング中
コラム引用元/2006-08-15 17:10:56 SCANレポート by 高見澤孝志
このプロジェクトは外国車や国産車を展示・販売するショールームである。
ハードや内装の仕上げ等まではあらかじめ決定された条件でのプロジェクトであった。OSBで出来た立体フレームをワンルーム空間に縞状に連続させ、そのフレームに起伏をもたせた家具=建築である。
完成したScanを訪問し次のように感じとった。
(あくまでも僕の個人的な感想なので、GENETOから大きな批判を浴びるかもしれないが)彼らは実はメタファーとして車を家具的な感覚や精度で作りたかったのではないか?
しかも彼らのつくった車は、店主や顧客ばかりでなく展示する車やカタログまでも覆い尽くすような巨大な車を作ってしまった。
だから車を展示するスロープと融合するような起伏が必要だし、形態として車のような流線形となる起伏が必要だ。
運転席は打ち合せスペースと称する部分にイスと机が設けられ、それらはボディーから突出しているのである。
まさに車ではないか?
[車]は[器]とも言い換えられ、恐らく彼らはそのようなものを目指しているのだろう。以前彼らは建築と家具との境界をなんとかしたいと語っていた。境界を曖昧にし家具がもつやわらかさやスケールそして自由度を、相対するハード(建築)に置換することを狙っているのではないか?
それを見事に実現させた作品ではないかと思います。
僕はエンジニアとして参加しているため、多少エンジニアリングについて述べておきます。
当初の計画では約2m程度の’[‘型フレーム(コの字)をOSBで出来ないかという難題をヤクザの如く突きつけられ泣きながら考えたのが、12mmのOSBを3枚使用して厚み36mmのストラクチャーを作る案である。
中央のOSBをL型のフレームにカットし、それを上下に配置する。それを挟むように両側面からOSBを接着すれば[型フレームが出来るのではないか?人間が載っても耐え得る強度が確保できるのではないか?と考えた。
しかもGENETOでは接着剤として、通常構造用集成材に使用するイソシヤネートを使用するとのことでストラクチャーは決まった。紆余曲折があり[フレームは門型フレームへと変わったが、そのシステムは継承され門型のラーメンをOSBで実現している。起伏のあるフレーム同士は床面と背面でOSBによって緊結され安定した架構となっている。
最後に僕個人としてはやはり俯瞰することが大切だと感じているため、プロジェクト当事者だが第三者的な表現になってしまったことそしてSCANを勝手に再定義したことをお許しいただきたい。
そして、このようなプロジェクトに参加できたことをGENETOの皆さんに感謝します。
レポート:構造家 高見澤孝志 AD
「WORKS」ページでは、会社の実績の紹介とともにプロジェクトに対する見解やコラム、評価などをを書きます。長い必要はありません。クライアントに獲得してもらう情報としては「NEWS」や「ABOUT」といった表面的な情報と比べ、より具体的な「読み物」の役割が強いページとなります。
狙いとしては、貴社への理解が深まる読み応えのあるページをクライアントが通過することで、興味・関心のフェーズから問い合わせというコンバージョンへと導きます。
カスタマーは「NEWS」よりも深い情報がここで手に入りますので、この後の主導線はお問い合わせページである「REQUEST」になります。